論文ID: cn-001149
前知謬(promnesia, prescience)は,自分の体験していることを以前あったことのように感じ,それを予知できていたと認識する前兆(focal aware seizure 単純部分発作)(注1)で,側頭葉てんかんの稀な症状として認識されている.今回promnesiaを病歴上抽出できた部分てんかん患者4例の特徴を検討した.4例中3例は検査上側頭葉由来が示唆され,2例は前兆(注1)としてpromnesiaのみを呈した.Promnesiaは側頭葉内側焦点の局在情報となる可能性が高く,積極的な病歴聴取が肝要であるが,同時に感度,特異度の検討が今後必要である.