論文ID: cn-001262
急性期脳梗塞患者について超高齢群(≥90歳,414例)と,高齢群(75~89歳,1,927例)の間で臨床像を比較した.超高齢群では女性,早期来院,入院時重症,心房細動,心原性脳塞栓症が多かった.一方で,動脈硬化の危険因子の保有は超高齢群で少なかった.超急性期治療には差はなかったが,二次予防の抗血栓薬導入は超高齢群で少なかった.転帰では急性期死亡,3か月後死亡が有意に多かった.また超高齢者の急性期死亡,3か月後死亡のいずれに対しても,入院時重症,心房細動が独立した予測因子であった.超高齢者は予後不良だが,急性期治療は積極的に実施されており,その増加は脳梗塞診療態勢に影響を及ぼす可能性がある.