論文ID: cn-001269
4カ月の経過で傾眠と体幹失調が緩徐に進行した71歳男性.頭部MRIにて中脳から視床,大脳白質にかけFLAIR高信号域と点状の造影効果あり.Lymphomatosis cerebri(LC)を疑い,造影効果が明瞭化した部位より生検を行い,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫と確定診断.大量メトトレキセート療法を開始,3カ月で小康状態に至った.LCは中枢神経原発性悪性リンパ腫の稀な一亜型で,画像上は感染症や自己免疫性疾患との鑑別が困難であり診断には生検が必須である.本例のような画像所見に遭遇した際LCも念頭におき,生検部位を検討の上,早期に実施することが予後の改善につながるものと考え報告した.