臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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髄液の免疫染色で診断しえた髄膜黒色腫症の1例
田村 悠紀子梅田 能生梅田 麻衣子小宅 睦郎薄田 浩幸藤田 信也
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論文ID: cn-001436

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抄録

症例は,高血圧性脳症の疑いで入院した49歳女性.MRIガドリニウム造影画像で大脳から全脊髄にびまん性に軟髄膜の増強効果があり,T2強調画像で馬尾に低信号の多発結節病変を認めた.髄液は血性で,細胞診はクラスVだった.髄膜癌腫症を疑ったが,画像検索では原発巣が不明だった.皮膚症状はなかったが,3回目の髄液検査でメラニン顆粒を有する細胞を少数認め,免疫染色で悪性黒色腫に特徴的なHMB-45とS-100が陽性を示し,髄膜黒色腫症と診断した.原発不明の髄膜癌腫症では,髄液の細胞診に悪性黒色腫の免疫染色を加えることを考慮すべきである.

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