臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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脊髄症が急速進行し,longitudinally extensive spinal cord lesionと髄液中に多形核球優位の細胞上昇と糖低下をみとめた脊髄硬膜動静脈瘻の1例
北崎 佑樹上野 亜佐子前田 健一郎浅野 礼宮山 士朗高畠 靖志
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論文ID: cn-001472

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抄録

症例は75歳女性.腰痛後に下肢脱力,尿閉が急速に進行し第7病日に当院に搬送された.脊髄単純MRIでflow voidsが随伴する第8~11胸椎レベルのlongitudinally extensive spinal cord lesion,髄液中の多形核球優位の細胞数上昇と糖低下より脊髄炎が疑われ,免疫グロブリン大量静注療法が施行された.脊髄造影MRIと脊髄血管造影検査で脊髄硬膜動静脈瘻(spinal dural arteriovenous fistula; SDAVF)と診断され血管塞栓術で症状は改善した.SDAVFは脊髄炎と類似した症状を呈するが,免疫治療と腰椎穿刺は神経症状を増悪させるためSDAVFが除外できない症例では免疫治療と腰椎穿刺は控えるべきである.

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