臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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弓道における異常な運動(いわゆるイップス)―頻度,分類,危険因子の検討―
西尾 誠一郎林 祐一加藤 新英大野 陽哉和座 雅浩長尾 洋一郎向野 晃弘中根 俊成下畑 享良
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論文ID: cn-001568

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抄録

弓道において,弓を放つ際,「早気,もたれ,びく,ゆすり」と呼ばれる4種類の状態が生じ,上達に支障を来す.種々のスポーツで認めるイップスの定義に当てはまるが,これまでほとんど検討されていない.これらの頻度や分類の意義,危険因子について明らかにすることを目的に,大学生を対象とした検討を行った.アンケートを行った65名中41名(63.1%)にいずれかの経験があり,「早気」が最も多かった(のべ35名;85.3%).イップス発症の危険因子として,経験年数が長いことが関与していた.病態は未だ不明なことが多いが,「もたれ」のみ単独で出現し,その特徴からも動作特異性局所ジストニアの関与の可能性が疑われた.

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