臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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体外離脱体験と多彩な視覚症状を呈し,部分てんかん発作との鑑別を要した片頭痛患者の1例
細川 恭子宇佐美 清英梶川 駿介下竹 昭寛立岡 良久池田 昭夫髙橋 良輔
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論文ID: cn-001577

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抄録

18歳男性,右利き.17歳より,視野全体に長く一本の斜線が入り,その上下で視野がずれて見える,両視野の眼前の光景が波状に見える,視野全体に大きな数個の斑状暗点が出現するなど多彩な視覚症状が生じ,その後に体外離脱体験(out-of-body experience,以下OBEと略記)として,“自分の姿を左後ろから見ている状態”が生じた.症状は1時間持続し頭痛が後続した.頭部MRIで両側後頭葉の軽度萎縮を認めた.本症例は多彩な視覚症状とOBEを呈し,部分てんかん発作との鑑別を要したが,症状が多彩で持続が長いことから前兆のある片頭痛と診断し,少量のバルプロ酸が著効した.OBEを伴う片頭痛は稀に存在する.

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