論文ID: cn-001610
自験例は,2歳頃より四肢筋力低下・筋萎縮・関節拘縮が進行した女性で,拘束性換気障害,30代より上室性及び心室性不整脈を合併し,55歳時に気管切開術,人工呼吸器装着,植込み型除細動器植込み術を施行したが,心不全が進行し,59歳で死亡した.血中CK値は正常で,針筋電図検査では,正常波形に混在して高振幅や多相性の運動単位電位を認め,強収縮では干渉は低下していたが動員は比較的保たれていた.典型的なミオパチーの所見が明らかでなく診断に苦慮したが,疾患関連遺伝子エクソーム解析により,LMNA遺伝子にヘテロ接合性ミスセンス変異p.E358Kを認め,ラミノパチーの診断に有用であった.