臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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一過性脳虚血発作様症状で発症し遺伝的要因が疑われた可逆性脳梁膨大部病変を有する軽症脳炎/脳症の1例
忽那 史也上野 未貴徳田 昌紘岩永 洋堤 圭介
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論文ID: cn-001697

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抄録

一過性脳虚血発作様症状で発症し,家族歴から遺伝的要因が考えられる1例を経験した.症例は26歳男性.8歳時にも類似の病歴がある.突然の構音障害,嚥下障害を発症したが数時間で軽快した.翌日,同様の症状が再発し当科へ入院した.症状は2時間で軽快したが,MRIで両側深部白質にDWI高信号域を認めた.後日画像所見の消失を確認し可逆性脳梁膨大部病変を有する軽症脳炎/脳症(mild encephalitis/encephalopathy with a reversible splenial lesion,以下MERSと略記)と診断した.同胞に同様の臨床経過を示すMERSの既往があり,MERS発症機序の一因として遺伝的要因の関与が示唆された.

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