論文ID: cn-001784
症例はHIV非感染の32歳男性である.22歳頃に梅毒感染の機会があった.29歳時に右動眼神経麻痺を発症し前医眼科にて動眼神経麻痺の原因が不明のまま複視に対し斜視手術を受けた.31歳時に左動眼神経麻痺が出現し血清と脳脊髄液の梅毒反応陽性から神経梅毒と診断した.MRIで左動眼神経に造影所見を認め,さらに動脈瘤と無症候性脳出血を認めたことから髄膜血管型神経梅毒と診断した.ペニシリンとステロイドパルス療法を併用したところ両側動眼神経麻痺は改善した.動眼神経麻痺は梅毒性脳内膜血管炎による微小循環障害による機序が考えられた.