臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
Print ISSN : 0009-918X
ISSN-L : 0009-918X

この記事には本公開記事があります。本公開記事を参照してください。
引用する場合も本公開記事を引用してください。

上腕二頭筋生検で診断に至らず,外眼筋組織で遺伝子診断に至った慢性進行性外眼筋麻痺の1例
白石 渉立石 貴久橋本 侑山﨑 亮吉良 潤一磯部 紀子
著者情報
ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: cn-001798

この記事には本公開記事があります。
詳細
抄録

症例は初診時48歳の男性.緩徐進行性の複視を主訴に当科を受診した.家族歴はなく,エドロホニウムテストは陰性だった.血液検査で乳酸とピルビン酸値の上昇を認め,ミトコンドリア病を疑い,上腕二頭筋を生検したが筋病理,遺伝子検査とも異常は認められなかった.患者は後日,複視に対し眼筋縫縮術を施行された.その際に得られた組織で,ミトコンドリア遺伝子の多重欠失を認め,慢性進行性外眼筋麻痺の診断に至った.本例は上腕二頭筋組織に異常を認めず,外眼筋組織で遺伝子異常を認め,診断に至った.ミトコンドリア病では,ミトコンドリア遺伝子異常の組織特異性が指摘されており,生検を施行する際には罹患筋を選択することが望ましい.

著者関連情報
© 2022 日本神経学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
feedback
Top