臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
Print ISSN : 0009-918X
ISSN-L : 0009-918X

この記事には本公開記事があります。本公開記事を参照してください。
引用する場合も本公開記事を引用してください。

非小脳性運動失調:後索型運動失調と小脳型運動失調
福武 敏夫
著者情報
ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: cn-001820

この記事には本公開記事があります。
詳細
抄録

運動失調は小脳由来の小脳性だけでなく,大脳から末梢神経に至るいずれかの病変によることがある.小脳由来ではない非小脳性運動失調は感覚性運動失調や後索性運動失調と総称されてきた.しかし,前頭葉病変で小脳性と区別しにくい運動失調が現れるので,小脳性運動失調を含めて小脳型運動失調と呼び,後索由来の後索性運動失調も後索ではない頭頂葉病変などによることがあり,後索性運動失調を含めて後索型運動失調と呼ぶことが提唱された(平山,2010).この提唱に従って,脊髄癆や感覚性ニューロパチーなどを概観するが,Miller Fisher症候群の運動失調は自己免疫性運動失調の国際的コンセンサス(2016)にて臨床-生理学的に小脳型とされており,感覚性運動失調に後索性/型運動失調だけでなく,Ia群線維から小脳への感覚入力障害による小脳型運動失調がありうることを強調したい.

著者関連情報
© 2023 日本神経学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
feedback
Top