論文ID: cn-001849
58歳男性.両下肢近位筋の筋力低下で発症し,発症2週間後にLambert-Eaton筋無力症候群(Lambert-Eaton myasthenic syndrome,以下LEMSと略記)と診断された.原発不明小細胞癌が判明し,LEMSに対する対症療法と放射線化学療法を施行され筋力は改善した.しかし急性心筋梗塞罹患を契機にII型呼吸不全が増悪したため気管挿管による人工呼吸器管理を要した.単純血漿交換療法,IVIg療法,ステロイドパルス療法などの即効性治療と対症療法の強化により人工呼吸器から離脱し自立歩行が可能な状態まで改善した.電気生理学的検査では増悪時と比較し退院時には全般性に複合筋活動電位の改善を認め,LEMSの病勢を反映した可能性が考えられた.