論文ID: cn-001895
免疫グロブリン大量静注療法(intravenous immunoglobulin,以下IVIgと略記)後の抗体価の変動について検討した.2020年4月1日から2022年8月31日の間に当院でIVIgを受け,投与前後に抗体測定を行った15例を後方視的に検討した.IVIg後には,抗SS-A抗体,抗サイログロブリン抗体,抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体,抗グルタミン酸脱炭酸酵素抗体,HBs,HBc抗体が一過性に上昇した.リウマチ因子,抗核抗体,抗好中球細胞質抗体は上昇しなかった.上昇した抗体は3か月後に陰性化した.IVIg後は製剤由来の自己抗体やB型肝炎関連抗体が一過性に上昇し,偽陽性を呈する.