論文ID: cn-001915
末梢神経障害を合併したBAG3変異による筋原線維性ミオパチー(myofibrillar myopathy,以下MFMと略記)の1例を経験したので報告する.症例は19歳の女性で,階段昇降や歩行障害が進行した.神経学的に体幹筋と両下肢遠位筋優位の筋力低下を認め,筋生検で縁取り空胞や不整な筋線維配列を確認した.遺伝子解析でBcl2-Associated Athanogene 3(BAG3)の病的ヘテロ接合性変異(p.P209L)が判明し,MFM6と診断した.本症は小児期に発症し心筋症を合併する予後不良の稀なミオパチーであるが,軸索型ニューロパチーを合併し,尖足拘縮,体幹屈筋が弱い特徴がある.若年発症のニューロミオパチーでは本疾患を疑い,遺伝子検査を検討すべきである.