論文ID: cn-001930-1
島葉は第5の葉と呼ばれ,シルビウス裂深部にあるが故に機能的役割や発作症状の探索が困難であった.しかし,定位的頭蓋内脳波の普及により島葉てんかんの理解は急激に進んだ.島葉は多様な機能と豊富な解剖機能的結合を有するため,島葉てんかんの臨床像は多彩である.体性感覚症状(特に痛み)や喉頭絞扼感などの特徴的な症状を呈する場合もあれば,これらの自覚症状の乏しい運動亢進(過運動)発作を呈する場合もある.脳神経内科医はてんかん診療の最前線として島葉てんかんの正確な知識を持ち,他葉のてんかんや非てんかん性症状と鑑別する必要がある.島葉は文字通りの “島” ではなく,多面的役割を持つ重要なハブとして認識すべきである.