論文ID: cn-001973
帯状疱疹の既往のない36歳女性が某日午前8時に嘔気,ふらつきのために当院に搬送された.頭部MRIで両側延髄内側梗塞を認めたため,治療を実施したが,第2病日にかけて症状が悪化した.造影頭部MRIにて,脳底動脈の全周性の壁肥厚と同部位の造影効果を認めたため,脳脊髄液検査を実施した.その結果,水痘-帯状疱疹ウィルス(varicella-zoster virus,以下VZVと略記)抗体価指数の上昇を認めたため,VZV血管症と診断した.アシクロビルなどの治療によって,脳底動脈の全周性の壁肥厚と同部位の造影効果は改善した.若年性脳梗塞の病因に関して,皮疹の有無にかかわらず,VZV血管症を考慮する必要がある.