臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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左右差の強い近位筋優位の筋萎縮を伴う末梢神経障害を呈した成人型Krabbe病の1例
本河 悠太 桑垣 詩織林田 仁志樋口 雄二郎髙嶋 博池添 浩二
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: cn-002148

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抄録

成人型Krabbe病は,ガラクトセレブロシダーゼ(galactocerebrosidase,以下GALCと略記)遺伝子変異により発症し,通常は錐体路障害を伴う.今回,著明な筋萎縮を伴う末梢神経障害を呈し,錐体路障害に乏しい74歳男性例を経験した.運動ニューロン疾患やCharcot–Marie–Tooth病,慢性炎症性脱髄性多発神経炎が鑑別に挙がったが,遺伝子解析でGALC遺伝子に既知のミスセンス変異c.246A>G(p.I82M)を認め,Krabbe病と診断した.非典型例では診断が遅れる可能性があり,本疾患を念頭に置いた検査の実施が診断に有用と考えられた.

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