日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第6回大会
セッションID: O1B-01
会議情報

口頭発表1B:知覚・認知
能動的観察による視点変換規則獲得における手の運動方向の効果
*笹岡 貴史
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
近年,能動的に物体を回転させて景観の変化を観察することで,後の物体認識が促進されることが報告されている(Harman et al, 1999; 笹岡ら, 2005).このことは,物体認識における運動系の関与を示唆しているが,認識の促進に実際に運動を行うことが重要なのか,単に能動性が重要なのかについては明らかになっていない.そこで本研究では,物体の景観を観察する際,手の運動と物体の回転方向が一致する条件と一致しない条件間で,認識の促進効果を比較した.その結果,前者の条件で,より大きな促進効果が得られたことから,認識の促進には実際に手で物体を回転させるのと同様に手と同じ方向に物体が回転することが重要であると考えられる.また,手の運動と物体の回転方向が一致する条件で,認識の促進に回転の正負に対する非対称性が見られた.以上の結果は,認識の促進に運動系が強く関与していることを示唆している.
著者関連情報
© 2008 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top