抄録
入力・テスト時に用いる感覚モダリティを一致させた視覚-視覚による空間記憶課題では,眼球運動がその情報の減衰を止めるリハーサル機能を果たしており,入力時とテスト時に身体感覚を用いた課題においては,身体運動がそのリハーサルに関与していることが明らかにされている(藤木・菱谷,2006,2007)。このことから空間情報のリハーサルには,眼球運動が関与する視覚系と身体運動が関与する身体感覚系の2つのシステムが存在する可能性が考えられる。そこで,本研究では,入力した情報を他の感覚モダリティに変換する必要のある視覚-身体感覚によるクロスモダルな空間記憶課題を用いた場合,その情報の保持に,眼球運動と身体運動が関与する各リハーサルシステムがどのように関与しているのかを検討した。