生駒(2008)は,笑いのオノマトペが表現する笑い声の大きさと笑い感情の強さとについて,定量化した上で次元性を検討し,笑い声は1次元とみなせるが笑い感情はそうではなく2次元であるという,次元性の乖離を報告した。では,笑いの視覚的な現れである笑い表情についてはどのようになるだろうか。そこで本研究では,大学生58名を対象として質問紙調査を行い,笑いを表現する7種のオノマトペについて,感じられる笑い表情の強度を数値で評定させた。この評定値に因子分析を行い,適合度を検討したところ,3因子解を許容する結果が得られた。よって,オノマトペが表す笑い表情の強さは,笑い声とも笑い感情とも異なる次元性を示すことが明らかになった。