日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第7回大会
セッションID: P3-3
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可視領域の大きさが単純接触効果に及ぼす影響
*井上 和哉菊地 正
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抄録
井上・八木・菊地(2007)は,刺激を一度に観察可能な領域(可視領域)を制限した状況においても単純接触効果が得られることを報告し,心的に形成された視覚イメージに対して単純接触効果が生じることを示唆した。本研究では,可視領域を制限した状況での単純接触効果が視覚イメージに対するものである追加の証拠を得るために,参加者間で可視領域の大きさを操作した(図形全体の約10%または5%)。接触段階では,無意味図形の上に黒いレイヤーが提示され,参加者はレイヤー上の円形の可視領域をマウスで動かすことで,図形全体をイメージし,記憶することが求められた。選好判断段階では,接触段階で提示された刺激と提示されていない刺激が対提示され,好ましい刺激を選択することが求められた。その結果,可視領域が大きな群でのみ単純接触効果が得られた。可視領域が小さい群では視覚イメージの形成が困難なために単純接触効果が得られなかったと考えられる。
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© 2009 日本認知心理学会
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