日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第7回大会
セッションID: P1-19
会議情報

手掛り再生における活性化の範囲
記憶高進を用いた検討
*分部 利紘綿村 英一郎常岡 充子高野 陽太郎
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
手掛り再生のプロセスについては、思い出したい記憶と意味的・文脈的に関連する記憶のみが活性化されると想定されている。本研究では、意味的・文脈的に関連しない記憶は本当に活性化されないのかを調べた。実験では、まず英単語の偶発学習を行った。次に場所を変えて、画像と単語のペアを覚えた。妨害課題を挟み、一度ペアを再生した後、再生群では英単語の手掛り再生、暗算群では暗算課題を行った。そして最後に再びペアを再生した。英単語の手掛り再生の際に意味的・文脈的に関連しないペアまで活性化される場合、手掛り再生後に行うペアの再生成績は(活性化の分だけ)再生群の方が良いと予想された。実験の結果、英単語の手掛り再生または暗算課題を行った後のペアの再生成績は、再生群の方が有意に良かった。この結果は、英単語の手掛り再生の際に、意味的・文脈的に関連しない画像と単語のペアまで活性化される可能性を示唆する。
著者関連情報
© 2009 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top