日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第7回大会
セッションID: P1-29
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勝者占有回路によって葛藤状態を表現した ストループ効果のモデル
*浅川 伸一
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抄録
ストループ課題は、認知心理学的にも,また,前頭葉の検査として神経心理学 的にも興味深い。被験者は,書かれた文字とその色とが異なる条件では,反応 時間の延長,誤反応の増加など葛藤を感じる。この葛藤状態を直接的にニュー ラルネットワークモデルとして表現した。具体的には,入力層として3種類を 仮定した。すなわち,文字知覚層,色知覚層,及び課題識別層である。これに 出力層を加えた4つの処理モジュールを結合してモデルを構成した。それぞれ のモジュールでは個別の勝者占有回路によって読みの候補が候補選択され,最 終的に出力層での勝者占有回路によって読みが決まる。文字と書かれた色が異 なる条件では,文字優位効果が存在するが,この効果を課題識別層の初期値と して実装した。読みに至るまでの反応時間とエラー率とが説明できるモデルで ある。
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© 2009 日本認知心理学会
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