抄録
多属性意思決定において、近年、合理的決定基準では説明できない文脈効果が見いだされており、代表的なものに、魅力効果、妥協効果というものがある。魅力効果とは、2属性2選択状況において、ターゲット(T)となる選択肢と、競合する選択肢(C)の選択比率が共に約50_%_であるものが、Tの2属性において劣る第3の選択肢を投入する2属性3選択状況では、Tの選択比率が上昇するというものである。都築・松井(2006)による選考研究では、魅力効果が顕著であった。そこで、本研究では魅力効果が生起するメカニズムを探るため、3選択肢課題の情報探索ボード(情報探索経路と意思決定方略)について分析することを目的とした。