日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第8回大会
セッションID: O3-5
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口頭発表3(感情・記憶)
長期的潜在学習における接触頻度の変化が単純接触効果に与える影響
*石川 晋松田 憲田中 大介長 篤志三池 秀敏
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抄録

本研究では,潜在学習における長期的学習スケジュールによる知識形成と,刺激の呈示傾向が,単純接触効果に及ぼす影響について,人工文法学習課題を用いて検討を行った.実験では,学習フェーズで文法文字列の呈示傾向を操作ながら参加者に呈示した.テストフェーズで新奇の文法文字列と非文法文字列を呈示し,その文字列に対する好意度判断と文法判断を行わせた.実験の結果は,呈示傾向の操作による好意度の変化は見られなかった.また,文字列の文字数によって文法判断評定値が異なっていた.これらのことから,文字列の過度の呈示によって,各呈示傾向条件における文字列に対する好意度が飽和した(天井効果)可能性があった.また,規則性の判断において,他の文字列と重複しているパターンが,反復呈示により加算的に重み付けられて,接触頻度の高かったパターンとの類似度による判断が行われている可能性があった.

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© 2010 日本認知心理学会
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