日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第10回大会
セッションID: P2-5
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ポスター発表2(認知神経科学/社会・感情/身体・比較/人格・臨床)
TMSによるワーキングメモリ操作時の前頭-感覚野の位相同期の変化
*川崎 真弘北城 圭一
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キーワード: ワーキングメモリ, 脳波, TMS
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抄録
ワーキングメモリは、主にイメージ操作に前頭葉の、保持に各感覚部位の関与が示唆されている。各脳部位は関連タスク時に情報伝達することが知られているが、その伝達仕様は明らかではない。そこで本研究は、経頭蓋磁気刺激法(TMS)を用いて、ワーキングメモリ操作時に脳波の位相リセット伝搬から情報伝達の推定を試みた。10被験者は音声呈示された数字を暗算する聴覚課題と視覚呈示された図形を指示に従って心的に移動する視覚課題を行った。各課題をTMSで前頭、側頭、頭頂を単発刺激する条件と統制条件で行い、各条件間で正答率に差はなかった。脳波データを周波数解析した結果、前頭θ波(6Hz)と側頭、頭頂α波(10Hz)が聴覚、視覚ワーキングメモリ操作時にそれぞれ増加した。また前頭葉と各関連脳部位は位相同期を示し、TMSによる位相リセットにも差が見られ、この位相関係がワーキングメモリの操作に関与することが示唆された。
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© 2012 日本認知心理学会
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