抄録
年齢群および高齢者の中での認知機能の差が情報機器に対して抱く不安や回避といった否定的な態度にどのような影響を及ぼすか、またそうした態度と機器所有・利用頻度との関連性を検討した。若年成人22名、高認知機能高齢者22名、平均的認知機能高齢者17名を対象とし、情報機器への顕在的態度を生活雑貨との比較で調べたところ、顕在的態度においては、高齢者2群においてのみ不安・回避的態度と機器利用頻度とが関連していることが示された。Implicit Association Testにより潜在的態度を測定したところ、若年群にのみ情報機器への不安が示され、また高齢者では情報機器に対し接近的態度が示された。これらの結果の意味と妥当性について検討する。