幼若期ストレス (early life stress; ELS) はうつ病等の精神疾患を発病する危険因子の一つと考えられている。本研究では、ELSと安静時及び自己の内的基準による意思決定課題 (色の好み判断) 遂行時の内側前頭前野の活動との関連を検討した。NIRS (near-infrared spectroscopy) のデータから、ELSは、安静時及び色の好み判断時の内側前頭の活動の低下と関連していることが明らかとなった。また, ELSと内側前頭前皮質の活動低下は, 自己の基準による意思決定が求められる事態においても, 顕著な外的基準によって判断するという意思決定スタイルと関連していることが示唆された。