抄録
繰り返し見たものを好ましく思うことは単純接触効果として知られている。我々の知覚は、外界から情報を取得する際に、複数の物体情報を要約して捉えている。単純接触効果が知覚的流暢性の向上によって生じることを考えると、アンサンブル処理によって得られた要約情報への 好みも上昇する可能性が考えられる。実験は2つのセッションから成っており、Exposureセッションでは、参加者に12個の円の平均を計算するように教示した。その後のPreferenceセッションでは、Exposureセッションで呈示された円の平均の大きさを持つ円と、そうでない円のどちらがより好ましいかを判断するように教示された。その結果、実際には見ていないにも関わらず、呈示された円の平均の大きさを持つ円がより好ましいと判断された。このことは、実際に目にした経験がなくとも、処理をした経験のみで、ある物体に対する選好が生じることを示唆している。