日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第13回大会
セッションID: P-2-39
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ポスターセッション2
高齢者に視線のカスケード現象は見られるのか?
齊藤 俊樹*金城 光
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抄録

視線のカスケード現象とは、選好判断における意思決定の直前に選択する刺激に対して視線を向ける割合が偏りはじめ、その偏りが判断時まで上昇し続けるという現象のことである(Shimojo et al., 2003)。これまでの視線のカスケード現象についての研究では、発達的な観点からの検討が行われていなかった。そこで本研究では、若齢者と高齢者を対象に二者択一の強制選択判断課題を課し、視線のカスケード現象が加齢に伴い変化するのかを明らかにすることを目的とした。
結果、高齢者においては選択する刺激に対して視線が偏り始めるのが大学生と比べて早く、より勾配が緩やかな視線のカスケード現象が認められた。また、両群とも判断条件によって視線の偏りの程度が異なっており、選好・類似性判断条件において最も強い視線の偏りが認められることが分かった。本研究により、視線のカスケード現象が高齢者においても認められること、好意判断に特有でないことが示唆された。

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© 2015 日本認知心理学会
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