日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第13回大会
セッションID: P-1-3
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ポスターセッション1
系列学習後の外的情報遮断による記憶の固定化
渡辺 晃*高野 陽太郎
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抄録
学習直後の脆弱な記憶痕跡が脳内に定着する際の記憶処理を記憶の固定化と呼ぶ。記憶の固定化は忘却の抑制の他に記憶表象を再体制化する機能も有し,系列的身体動作の学習(系列学習)の後に記憶が固定化されると運動成績が向上する。本研究では,この記憶表象の再体制化が,学習後に外的情報を一時的に遮断することで生じる記憶の固定化においても成立するのか検証した。また同時に,抑制性の学習における記憶の固定化についても検討した。抑制性の学習とは,負のプライミングに代表される,特定の情報に抑制性の処理を連合させる学習である。実験は,各参加者について通常・抑制性の2種類の系列学習を実施し,各学習について,10分間の外的情報を最小化した休憩の前後で運動成績を比較した。結果,通常の学習では休憩を通じて運動成績が向上し,記憶表象が再体制化されたことが示唆された。一方で抑制性の学習は成立せず,この点は今後の検討課題となった。
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© 2015 日本認知心理学会
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