抄録
再認におけるビデオ文脈依存効果を再検討するため,手がかり負荷1,6,15の3条件で実験を行った。実験参加者である大学生63名を,各条件にランダムに振り分けた。手がかり負荷1条件では学習時に旧項目36個を36種類のビデオで提示し,テスト時には新項目36個と新文脈36個を加え,新旧項目72個を72種類のビデオで提示した。負荷6条件では,学習時に旧項目36個を6種類のビデオで提示し,テスト時には新旧項目72個を12種類のビデオで提示した。負荷18条件では,学習時に36個を2種類のビデオに提示し,テスト時には新旧項目72個を4種類のビデオで提示した。また負荷6条件,18条件において,同じビデオは連続して提示(ブロック提示)した。その結果,負荷1条件はICE理論で,負荷6条件はエピソード想起説で説明できる結果となった。負荷18条件はアウトシャインにより,文脈依存効果が生じなかった結果と類似している。