2024 年 80 巻 14 号 論文ID: 23-14006
GFRPの疲労照査では構造部材レベルの検討が望ましいが,材料疲労試験と比べて部材疲労試験は実施例が限られている.そこで本研究では,材料疲労試験から,GFRP部材の疲労損傷や部材剛性をFEM解析上で評価する手法を提案した.提案手法では,実験により疲労損傷を生じたGFRPの剛性低下に着目し,材料疲労試験から構築した剛性低下モデルをシェル要素に実装した.まず,実験と単要素モデルを用いたFEM解析の比較から,提案手法の妥当性を確認した.さらに,GFRP-コンクリート複合桁の曲げ疲労試験を解析上で再現した.その結果,設計荷重下では繰り返し載荷後も疲労損傷が発生しないことを確認した.また,載荷荷重や位置を変化させた解析を行い,GFRP中空部材では上フランジ下面の引張疲労損傷が先行することを明らかにした.