抄録
絵画を見ると「明るい絵」といった種々の印象を持つ。そのような印象によって絵画の好みが決定されるかを検証した。10種類の絵画に対して、印象項目として9種(明るい、楽しい、重い、優雅、動的、強い、柔らかい、新しい、既知)を選定し、それらの項目と絵画に対する好みを各9段階で評定させた。その結果から、印象項目と絵画の好みの相関を求めた。絵画の評価項目と好みの相関が高い項目が絵画の種別によらず一定になっているなら、その項目が絵画によらず好みを規定するといえるであろう。しかし、どの絵に対しても高い相関を示す項目は見いだせなかった。