日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第14回大会
セッションID: P1-10
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ポスターセッション1
回転運動の交差・反発知覚
局所的な回転運動情報による剛体運動の見えの変容
*郷原 皓彦山田 祐樹
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抄録

交差・反発刺激では交差知覚が優位であり,これは同一方向への運動の継続がより予測されやすいためである。では運動刺激の回転情報はこの予測に関与するのだろうか。本研究では円形の運動刺激に順・逆回転を加え,回転方向とその連続性の消失が交差・反発知覚に与える影響を検討した。回転の連続性は運動刺激同士の重畳後に回転方向を反転させるか否かで操作した。円内の直径上のバーの回転で円の回転を表した。実験1の結果,回転方向の影響は無く,反転なし条件では反転あり条件よりも反発の知覚割合が有意に高かった。この結果は,反転なし条件では物体衝突時にバーの回転運動が知覚的に反転したためである可能性が考えられた。しかし実験2ではバーのみを呈示してもそのような知覚的な回転反転は生じなかった。ゆえに,円内の局所的かつ持続的な回転運動情報は剛体運動と回転運動が同時に与えられた場合にのみ交差・反発知覚に影響することが示唆される。

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© 2016 日本認知心理学会
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