日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第14回大会
セッションID: P1-12
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ポスターセッション1
刺激への視線移動距離が選好判断に与える影響
*興梠 盛剛松田 憲中元 俊介小島 隆次長 篤志楠見 孝
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抄録

本研究は無意味輪郭図形に対する選好に刺激図形への接触回数と視線移動距離が与える影響を検討した。刺激図形の呈示回数は4,8,12回であり,呈示位置は呈示回数条件毎に画面中央(0度)と,画面中央から上下左右に7.5,15度離れた位置にそれぞれ3秒間呈示した。また,刺激呈示前に画面中央に1秒間注視点が提示された。実験は接触フェーズと評定フェーズから成り,接触フェーズではアイトラッカーを用いて参加者の視線データを記録した。評定は新旧項目への好意度,価値観の7段階評定(4:どちらでもない)と再認判断を行った。実験の結果,12回呈示の呈示位置15度条件において好意度と価値観評価は中央値4を有意に上回り,再認判断で条件間に差はなかった。これらの結果から,接触頻度の増加により刺激に対する単純接触効果(Zajonc,1968)に視線移動を伴うことで対象刺激への評価上昇に促進的に影響したことが示唆される。

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© 2016 日本認知心理学会
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