日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第14回大会
セッションID: P2-07
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ポスターセッション2
特性的楽観性とDRM手続きにおける虚再認
*鍋田 智広
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抄録
特性的楽観性は,健康心理学や臨床心理学において,身体的・精神的に肯定的な影響をもたらすことが多く報告されているものの,その認知的メカニズムは明らかではない。本研究では,特性的楽観性が肯定的影響をもたらす基盤として虚偽記憶を取り上げ,特性的楽観性が虚偽記憶に与える影響を検討した。実験参加者はポジティブ語,ネガティブ語,中立語からなる虚偽記憶リストを学習し,その後,再認テストを受けた。その結果,ポジティブ語,ネガティブ語の虚偽記憶については特性的楽観性との相関は認められなかったものの,中立語の虚偽記憶において特性的楽観性と有意な負の相関が認められた。特性的楽観性が高い個人ほど虚偽記憶が少ない結果は,特性的楽観性における身体的・精神的な肯定的影響は,記憶情報の判断を正確にすることによってもたらされる可能性を示唆している。
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© 2016 日本認知心理学会
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