日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第15回大会
セッションID: O3-03
会議情報

口頭3 《感情・動機》
自己報告型の共感性が共感正確性課題に及ぼす影響
難波 修史松田 聖顕宮谷 真人中尾 敬
著者情報
キーワード: 共感正確性, 共感, 想像性
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

他者の内的状態を正確に推量する能力を共感正確性という (Ickes, 2001)。本研究では,対話している人物の情動的な内的状態を推量する課題と認知的な内的状態を推量する課題の2種類の課題で測定される共感正確性と自己報告型の共感性との関連を検討した。いずれの共感正確性課題においても,登場人物に自分を置き換えて想像する能力が相手の内的状態を正しく推量するのに重要であることが示唆された。さらに,思考のようなより認知的な状態を推量する課題は自己との体験を切り離して相手の立場に自身を置く,ということが正確性と関連する可能性が示され,より情動的な状態を推量する課題では相手の情動体験を模倣し共有してしまう情動伝染的なメカ二ズムが重要である可能性が示された。今後の研究では,異なる推量対象に対する共感正確性と自己報告型の共感性との関連を検討することで本結果の頑健性について検討していく必要があると考えられる。

著者関連情報
© 2017 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top