日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第15回大会
セッションID: O4-03
会議情報

口頭4 《社会的認知》
主体感の顕在・潜在指標の関連
今泉 修丹野 義彦
著者情報
キーワード: 自己, 行為, 時間
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
行為の自己帰属感 (主体感) は,行為とそれが予測する感覚結果との一致から生じる。主体感の顕在指標として主観評定が用いられ,潜在指標として行為と結果の時間間隔が実際より短く推定されるIntentional bindingの量が用いられてきた。本研究は,行為と感覚結果の時間的一致性によって主体感を操作した際の顕在・潜在指標の関連を調べた。参加者は,キー押下後に数種の遅延をともなって呈示される音を聴き,自らが音を鳴らしたと感じた程度を評定し,キー押下と音の時間間隔を推定した。結果,遅延が増すと評定値とIntentional binding量はともに減った。音の遅延量を独立変数とした評定値とIntentional binding量それぞれの線形回帰の傾きは,正の相関を示した。これらの結果は,顕在・潜在的な主体感が行為と結果の時間的一致性に共通基盤をもつことを示唆する。
著者関連情報
© 2017 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top