抄録
再認における画像優位性効果(以下PSE)の研究を行った。本研究の目的はPSEがコレクトリジェクション、つまり虚記憶生起の抑制に対して影響を与えるかどうかを検証すると共に、概念的示差性仮説の検証を行うことである。実験を行うにあたり「野菜」「動物」「虫」の3つのカテゴリから成る30項目のリストを作成した。項目は画像もしくは単語で一つずつ提示され、それぞれ参加者間群ごとに1つずつ提示された。さらに、実験参加者は刺激に対して命名もしくはカテゴライズし、声に出して読み記憶するように教示された。実験の結果、PSEと命名の効果がコレクトリジェクションにおいて認められた。コレクトリジェクションの成績は命名条件において高かった。よって、概念的示差性仮説は命名の効果を説明することができた。しかし、この結果がPSEを説明できるかどうかは不明確である。