日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第15回大会
セッションID: P2-23
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ポスター2 《知覚・感性, 人格・臨床, その他》
記憶バイアスはネガティブ語の主観的感情評定に起因するか?:
特性不安と抑うつが及ぼす影響
上田 紋佳
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抄録
不安症患者にみられるネガティブな情報に対する選択的な記憶である記憶バイアス現象は不安症患者特有の記憶のプロセスを反映しているものと考えられている。本研究では,不安症患者の刺激の主観的脅威度の評定のバイアスが記憶バイアスをもたらしているという仮説のもと,調査研究と実験研究を行った。調査研究では,高不安者ネガティブ語データベースを作成し,感情価評定ではネガティブ語,中性語ともに特性不安の影響があるのに対して,覚醒度評定ではネガティブ語,中性語ともに特性不安の影響がないことが示された。実験研究では,高不安者と低不安者の間で,感情評定に差があった刺激(ネガティブ語specific)と,差がなかった刺激(ネガティブ語general)に対する記憶成績が異なるかどうかを検討した。その結果,ネガティブ語specificおよび中性語の成績は抑うつの負の関係がみられることが示された。
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© 2017 日本認知心理学会
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