日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第17回大会
セッションID: P3-18
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ポスター発表3:感情・動機づけ・社会的認知・言語・思考
微表情の情報を反映した表情の認識
*茶谷 研吾
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抄録

微表情は嘘を見破る手がかりになると考えられ検出の成否を左右する要因が検討されてきたが (Ekman, 2003; Hurley, 2012),その認識についてはほとんど検討されていない。本研究では微表情が後続の表情でマスクされる時,これらの表情全体がどのように認識されるのか検討した。実験では真顔から基本表情へと11段階で変化するモーフィング画像を作成し,50msずつ連続呈示した。微表情条件として,刺激の呈示から200msが経過した時点でそれまでとは別の表情を呈示する条件を設けた。その後基本表情間で変化するモーフィング画像1枚を呈示し,そのターゲットの表情が連続呈示した画像の途中で現れたか否かを参加者に判断させた。参加者の反応について後続表情とターゲットの組み合わせ毎に一般化線形混合モデルによる分析を行った結果,一部の微表情条件の係数が有意だった。このことは,微表情とそれをマスクする後続の表情の間で情報の統合がなされている可能性を示している。

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© 2019 日本認知心理学会
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