日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第17回大会
セッションID: P1-15
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ポスター発表1:記憶
自人種顔と他人種顔に対する視覚性短期記憶の符号化速度
*西村 友佳小川 洋和
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抄録

人種効果とは、他人種顔と比較して自人種顔の認識が優れている現象のことである。短期記憶では、刺激の呈示時間に関わらず自人種は他人種顔よりも多くの顔を記憶することができることから、自人種顔は他人種顔よりも効率的に符号化されると考えられている。そこで本研究は、記憶成績の時系列変化を統計モデリングによって分析することで、短期記憶における人種効果と符号化プロセスの時間的特性との関係を検討した。日本人大学生と東アジア出身の留学生を参加者とし、日本人顔と白人顔の写真を用いて視覚的短期記憶課題を行わせた。記銘項目の呈示時間に対する記憶成績の関数から、最終的な記憶の上限を記憶容量、そこに到る速度を符号化速度として推定した。分析の結果、自人種顔と他人種顔の間で記憶量にも符号化速度にも違いが見られなかった。人種効果の生起要因について、今後さらに検討する必要がある。

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