日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第17回大会
セッションID: P1-24
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ポスター発表1:記憶
バランスのとれた時間的展望と自伝的記憶の機能の関連
*槙 洋一川﨑 弥生
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抄録

自伝的記憶は日常的に使用され,自己を維持する働き,他者と関わる働き,自分を目標に対して方向づける働きという3つの機能がある。また,自伝的記憶の想起をすることは,時間的展望を作り出す。時間的展望とは,現在,過去,未来という各時間に対する個人の見方である。近年の時間的展望に関する先行研究で,バランスのとれた時間的展望がとれているほうが,精神的健康が高いことが指摘されている。しかし,どのような要因がバランスのとれた時間的展望を生み出しているのかは明確ではない。そこで,本研究では,自伝的記憶の機能と時間的展望との関連を検討した。バランスのとれた時間的展望に関する指標をもとめ,それに基づきタイプ分けし,自伝的記憶の機能を比較した。その結果,バランスのとれた時間的展望からのずれが大きい人の方が,自伝的記憶の自己機能をよく使用していることが示された。

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© 2019 日本認知心理学会
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