日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第18回大会
セッションID: PT2_32
会議情報

ポスター2
視覚的手がかりによる心的操作能力の補正と環境圧との関連
景山 望
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

心的操作能力は,前庭機能の疾患によって低下するとされている.昨年度,操作対象以外に視覚的手がかりが存在する場合,前庭機能が低下する高気圧環境であっても心的操作能力は低下しないことを報告した.しかし,昨年度では,認知機能の低下がみられる31気圧以下の環境圧下(21気圧)で検討した.このため,視覚的手がかりによる遂行能力の補正が,曝露される環境圧に依存しないかについては不明であった.よって,本実験では,高気圧曝露時の環境圧と心的操作時の視覚的手がかりとの関連について,1気圧と45気圧環境下の平面ディスプレイによるMental body rotation tasks (MBRT)の課題成績と重心動揺検査の前庭機能評価に用いるロンベルグ率によって検討した.本研究において,先行研究と同様にロンベルグ率は高気圧曝露によって増加したものの,MBRTの成績は変化しなかった.これは,視覚的手がかりによる心的操作能力の補正は,曝露される環境圧に依存しないことを示唆する.

著者関連情報
© 2021 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top