日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第18回大会
セッションID: PT2_33
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ポスター2
中高年者の交通事故における住民検診データに基づく認知機能要因の検討
木村 貴彦岩原 昭彦八田 武志
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抄録

本研究の目的は,中高年の認知特性の変化から交通事故に関連する要因を検討することである.住民検診に参加した295名を対象として,質問紙での回答と検診当日に実施した認知機能検査の関係について検討を行った.質問紙から自動車事故に関連した経験を抽出した.また,実施された認知機能検査のうち, 文字抹消検査(D-CAT:1文字条件と3文字条件),抑制機能を評価するStroopテスト(統制のドット条件と文字条件),空間認知検査の結果を抽出した.65歳未満(中年)と65歳以上(高齢)に区別して変化率を算出した.D-CAT(1文字条件)では後進時の事故経験・最近1年間での事故経験がある場合に低下がみられるが,D-CAT(3文字条件)では大きな変化がみられなかった.また,Stroopテストでは後進時の事故経験・最近1年間での事故経験がある場合に遅延の程度が大きくみられた.これらのことから,情報処理速度と抑制機能が交通事故に関連する可能性が示唆された.

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© 2021 日本認知心理学会
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