主催: 日本認知心理学会
会議名: 日本認知心理学会第18回大会
回次: 18
開催日: 2021/03/03 - 2021/03/04
相手に触れて感情を伝える際,どのように触れれば感情が伝わりやすいだろうか。ある文化の参加者の触覚感情表出を感情別に分類したとき,表出には参加者間で共通性(文化内共通性)と個別性の両面が見られる。そこで本研究では,触覚表出を構成するどの要素に(例:動作),どのような共通性・個別性があるのか検討するため,動作解析を実施した。Oya and Tanaka (2020) で正しく感情が伝わった接触について,①表出者が接触に用いた部位,②解読者が接触された部位,③動作,④動作の継続時間の4つの指標を検討した。その結果,12感情が,正しく伝わる場合に共通している要素(共通性要因)と個別性が高い要素(可変要因)の両方をもつことが示された。さらに,共通性要因は感情ごとに異なることを明らかにした。たとえば怒りでは,動作やその継続時間は問わず(可変要因),指の手のひら側で相手の手の甲に触れた場合に(共通性要因),怒りが伝わりやすいことが示された。