日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第18回大会
セッションID: PT2_46
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ポスター2
映像により喚起する快感情が意思決定に及ぼす影響の検討(2)
木村 健太眞田 和恵門地 里絵原水 聡史中村 純二
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抄録

本研究は、快感情が意思決定に及ぼす影響が快感情の種類により異なるかを明らかにすることを目的として、高覚醒の快感情である陽気と感動が報酬学習課題における強化学習パラメータに及ぼす影響を検討した。実験参加者は陽気映像、感動映像、統制映像のいずれかを視聴し、視聴前後に課題を行った。課題中の選択と報酬のデータに対してQ学習による強化学習モデルを用いて学習率αと逆温度βを算出した。加えて、映像視聴中の生理活動、快と覚醒度の評定値を測定した。その結果、感動条件では映像視聴前後の快評定値の変化と映像視聴前から視聴後の逆温度βの変化に正の相関が観察された。一方、陽気条件と統制条件ではそのような関連性はみられなかった。本研究の結果は、感動の誘発が学習された行動価値を重視した意思決定傾向と関連すること、快感情の種類により意思決定への影響が異なることを示唆する。

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© 2021 日本認知心理学会
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