主催: 日本認知心理学会
会議名: 日本認知心理学会第18回大会
回次: 18
開催日: 2021/03/03 - 2021/03/04
本研究では,展望的記憶課題における意図状態に関する情報の想起に伴う経験が,予定の想起順序や加齢によりどのような影響を受けるのかを検討した。105名の若齢者及び102名の高齢者に,翌日以降の3日間に予定されていることを7件想起するよう求めた。また,予定を想起した際に,各予定を忘れずに実行せねばならないと感じた程度を評定するよう求めた。その結果,高齢者は若齢者と比較して,予定を忘れずに実行せねばならないと感じる程度が有意に高いことが示された。また,若齢者においては予定を忘れずに実行せねばならないと感じる程度が想起順序によって有意に異なるが,高齢者においては想起順序の効果が認められないことが示された。これらの結果について,展望的記憶課題の実行を支える認知機構,特にコミットメントマーカーと加齢との関係の観点から考察した。